今回は
膝離断性骨軟骨炎について解説します!
1.どんな怪我??
膝離断性骨軟骨炎とは軟骨下骨を含む関節軟骨が剥離する怪我です。
上の図のように軟骨がベロっと剥がれてしまっているのが離断性骨軟骨炎です。
離断性骨軟骨炎はosteochondritis dissecansと英語で言うため略してOCDと医療現場ではよく言います。
1.好発年齢
膝OCDは13〜21歳に好発するとされています。
一般的な頻度は10万人あたり15〜29人とされています。
2.男女比
性別差で考えると5:3〜4:1と男性に好発すると言う報告が多いです。
OCDはスポーツ障害であり、近年は女性のスポーツ参加の増加に伴い
女性の発症も増加しているとの報告もあります。
3.両側発症の頻度
両側にOCDが発症する例は12〜30%との報告があります。
4.膝OCDの原因
原因はいろんな因子が関係するとされています。
・外傷
・遺伝
・虚血
・代謝内分泌以上
・骨化障害
・肥満
・異常姿勢
・後十字靭帯牽引
などが考えられてきました。
ここ最近では成長期にスポーツ活動などで繰り返される剪断力(膝の関節内にかかる滑りの力)により
生じる小さなストレスが原因とする説が有力とされています。
2.膝OCDの病態
病態としては以下のように進行すると考えられています。
軟骨下骨での骨減少、骨挫傷(骨髄浮腫)
↓
骨硬化、骨壊死
↓
骨性のサポートを失った関節軟骨に亀裂
↓
関節軟骨の剥離
3.発生部位
発生部位は多い部位から順に以下のようになります。
大腿骨内側顆(77%)
大腿骨外側顆(17%)
膝蓋骨(7%)
大腿骨滑車(1%)
脛骨高原(0.2%)
Masquijo J, et al:Juvenile osteochondritis dissecans(JOCD)of the knee:current conceptsreview. EFFORT Open Rev.4:201-212,2019.
また大腿骨内側顆はさらに
・classical site
・extended classical site
・inferoーcentral
に分類されます。
一方日本を含むアジア圏では外側顆におけるOCDの頻度が高いとされています。
これは以前の記事で紹介した外側円板状半月(円板状半月板ってなに??①)がアジア人に多いため
外側円板状半月を起因とした関節軟骨・軟骨下骨への力学的負荷が主な原因であるためとされています。
4.まとめ
今回は膝離断性骨軟骨炎がまずどんな怪我なのかについて解説しました。
次回はどんな症状が生じるのかについて解説したいと思います。
ではまた次回!
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