股関節の付け根が痛い。③ 股関節唇損傷の原因って??

股関節

今回は前回の記事(股関節の付け根が痛い。② 関節唇ってなに??)で

説明した股関節唇を痛めてしまう原因について解説します。

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股関節唇損傷の要因とは??

1.臼蓋形成不全

寛骨臼形成不全とは股関節の受け皿となる

骨盤側の骨の屋根が浅いことを言います。

場所は上図の丸の部分です。

左図が骨盤側の骨で受け皿(カップ状)の形をしています。

これが先天性(生まれつき)でこの受け皿の部分が

浅くなっている場合があります。

右図の赤線がそのイメージ図になります。

受け皿側の骨が赤線の通り

大腿骨の骨頭(足の骨側)への被さりが浅い(屋根が浅い)と

骨の端の部分に負担がかかります。

骨の端にはなにがあるか?

そう、関節唇です!

このようなメカニズムで損傷するため

基本的には繰り返しのストレスで損傷リスクが高いです。

臼蓋形成不全の診断は

レントゲンで可能です。

レントゲンで股関節の臼蓋(受け皿)の骨の形を

確認することで診断できます。

2.股関節インピンジメント(FAI)

股関節インピンジメントとは

インピンジ=衝突

なので股関節の骨同士がぶつかる

ことによる損傷を言います。

ちなみにこれを英語でFemoroacetabular impingementと言い、

略語でFAIと医療現場ではいうことが多いです。

FAIは3つのタイプに分類されます。

aのCam type impingementは大腿骨側に起因するものです。

bのPincer typc impingementは寛骨臼側(受け皿側)に起因するもので

cのmixed typeはこの両方の混合型です。

大腿骨頭のくびれが小さかったり、臼蓋(受け皿の骨)の骨のでっぱりがあった場合、

股関節を動かした際に骨同士の衝突を起こし、股関節唇損傷を生じることがあります。

この骨の形状はレントゲンで確認します。

福島健介ほか:巾純X線像によるFAIの診断. 1~ξ1負i]タト不十’ 30:1326-1332. 2011.

Pincer typeは

global coverage(全体的な過剰被覆)

segmental covcragc (部分的な過剰被覆)

に大きく分けられます。

Cam type impingementのレントゲン所見としては

大腿骨頚部外側のくびれが消失するpistol grip deformityが特徴です。

ただ検出率が低いとも言われているので

この所見がみられない場合もあります。

まとめ

今回は股関節唇損傷の要因についてまとめました。

臼蓋形成不全とFAIが臨床でも多くみられます。

どちらもレントゲンで骨形状を見て診断されます。

FAIは骨形状だけで痛みを出しているとは限らないため

この鑑別がとても重要になります。

次回の記事でそのあたりを

もう少し細かく説明したいと思います。

ではまた次回!

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