今回は
円板状半月について解説したいと思います!
1.円板状半月ってなに??
まず円板状半月が何か??
これは
膝の半月板が円板の形をしているものです!!
上の図が膝関節です。上図の隙間にある半月の形のものが
その名の通り半月板になります。
この本来半月の形のものが
上の図のように円板状の場合、円板状半月と言われます。
2.円板状半月の特徴
円板状半月は日本を含むアジアで多い疾患です。
その発生機序や長期予後に関してはまだ不明なことが多い疾患です。
円板状半月は
圧倒的に外側に多いです。
分類としては以下の3つに分類されます。
a.完全円板状半月板
b.不完全円板状半月板
c.Wrisberg型
完全円板状半月板→完全に脛骨高原を覆い安定するもの
脛骨高原とは下の図の赤丸の部分です。
不完全円板状半月→正常よりも大きいが脛骨軟骨面の被覆が80%未満のもの
Wrisberg型→大きさにかかわらず半月板後方の骨性付着部が欠損しWrisberg靭帯のみで半月板後方が付着しているもの
3.発生頻度、割合
円板状半月の大部分である外側半月板での頻度の報告では0.4〜16.6%と報告されており
欧米では5%以下と比較的稀な疾患ですが、東アジア圏では約17%と報告されており
日本では比較的よく遭遇する疾患です!
Papadopoulos A, et al:Epidemiologic, clinical
and arthroscopic study of the discoid meniscus variant in Greek popしdation. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc.17:600-606,2009.
Ikeuchi H:Arthroscopic treatment of the dis- coid lateral meniscus. Technique and long- term results. Clin Orthop Relat Res.167:19- 28,1982.
また屍体を用いた日本での解剖研究の報告で
完全円板状半月→3.6〜6.2%
不完全円板状半月→29.6〜31.6%
と報告されています。
Ryu K, et al:Evaluation of the morphological variations of the meniscus:a cadaver study。 Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc.23: 15-19,2015.
このことから症状が出る人が約17%だったことを考えると
無症状の外側円板状半月板の方も相当数あることが考えられます。
また症状のある外側円板状半月板では
79~97%で両側性の外側円板状半月であることが報告されています。
Bae JH, et al:Incidence of bilateral discoid latera!meniscus in an Asian popLllatiol1:an arthroscopic assessment of contralateral knees. Arthrescopy.28:936-941,2012.
そのため片側の症状の場合においても
反対側の経過に注意が必要です!!
4.外側円板状半月の組織学的特徴
円板状半月は組織学的に正常半月板と異なることが報告されています。
どのように違うかというと
膠原線維が疎でその配列が不整と言われています。
このため荷重に対するhoop機能が低下します!
これは半月板の働きの1つである
膝で荷重を支える際のクッション作用が低下しているということになります。
また円板状半月の外縁部の高原線維は円周上に配列されていることが報告されているので、
変性のない円板状半月において外縁部を温存することによって半月板のhoop機能が
温存できることが期待できます!
簡単にいうと
半月板の外側のフチの部分がしっかりしていると荷重を支える半月板の働きは維持できる
ということです!
逆に言えば外縁部が傷んでいる円板状半月の場合
半月板としての働きがかなり悪いということになります。
5.まとめ
今回は円板状半月について基本的なことを解説しました。
半月板は聞いたことがある人は多いと思いますが
円板状半月はなかなか一般の方で聞いたことがある人はいないと思います。
次回は診断の基準や他に気をつけなけれないけない疾患について
お伝えしたいと思います。
ではまた次回!
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