今回は前回(軟骨ってなに??① 〜軟骨の働き・種類・分布場所〜)の記事を元に
膝の軟骨がなぜ重要なのか??
について解説したいと思います。
1.膝の軟骨の重要性
軟骨には以下の2つの重要な役割があります。
a.摩擦軽減
膝の軟骨の摩擦係数は0.006前後と言われています。
これだけ聞いてもわからないですよね。笑
摩擦係数とは、物体同士の滑りにくさを表したものです。
摩擦係数は大きいほど滑りにくく、小さいほど滑りやすくなる
ということだけ意識すればOKです!
では身近なところで摩擦の少なそうな
氷の上で摩擦がどの程度なのか??
氷の上をスケート靴で滑る際の摩擦係数は0.06前後とされています。
そうです!!
摩擦係数が一桁も違うのです!
軟骨同士の方が一桁も小さい=それだけ摩擦が小さい
ということが理解できるかと思います!
これは驚きですよね!!
氷の上をスケート靴で滑るのもかなりツルツル滑りますが
それよりも軟骨同士は滑りやすいので相当ツルツルですよね。
b.衝撃吸収
膝関節は立っているだけで荷重がかかります。
歩行やジャンプなど行うとより荷重の負担が膝関節にかかります。
その衝撃を吸収する働きが軟骨にもあります。
軟骨の基盤となる物質の中に、コラーゲン繊維があります。
そしてコンドロイチン硫酸などのグルコサミノグリカンが多数結合した糖タンパクと絡み合います。
この糖タンパクは多数の水分子を引きつけます。
そのため軟骨基質は水枕のような構造になっています!
イメージとしてはスポンジのような働きです!
普段は水を含んでいる
↓
体重がかかる
↓
水がしみ出す
↓
体重かかっていない時に水を新たに含む
このような働きで衝撃を吸収してくれています!
2.膝の軟骨の耐久性
膝の軟骨は200kg/c㎡の負荷に耐えられるとされています!
お皿の骨(膝蓋骨)の軟骨は関節軟骨の中で最も厚く3~5mmも厚みがあります!
体重60kgの人が立ち上がる際にこの軟骨部分には7倍の420kgの応力が作用するとされています!
普段何気なくしている立ち座りがいかに軟骨に負担がかかっていたかわかりますね!
ただ420kgがずっとかかっているわけではなく立ち上がりの中で膝の角度も変わるので
圧がかかる場所も変化しこの圧をうまく逃しています。
逆を考えると同じような姿勢でずっといるとその部分の軟骨に常時ストレスをかけ続けることになります。
この状態が続くと軟骨細胞が壊死してしまい、いわゆる軟骨を痛めたと言われる状態になってしまいます。
3.まとめ
今回は膝の軟骨に関してどのような働きをしているかを解説しました。
軟骨を痛めた患者さんに指導として
・しゃがむのを控えてくださいね
・体重をかけすぎないでくださいね
などをよく行います。
これは今回解説した通りこれらの動作が軟骨に知らず知らずのうちに
かなりの負担をかけているからなのです。
なので軟骨を守ることが膝にとってはかなり重要になります!
皆さんも膝の負担を減らせるようにしていきましょう!
ではまた次回!
コメント