オスグットのリハビリ② 〜注意する体の使い方〜

前回はオスグットのストレッチについて解説しました。

今回はオスグットでNGな体の使い方についてまとめたいと思います。

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1.なぜ体の使い方が重要なのか?

オスグットは脛骨粗面に負担がかかると発症すると

前回の記事(オスグッド病ってなに・・?? 〜痛みの原因〜)で解説しました。

その中でジャンプやダッシュなどの大腿四頭筋に

負担をかけるような運動をしていると痛みやすいと説明しました。

では同じ部活で同じような練習をしている子供の中で

痛みが出る人と出ない人との違いは柔軟性以外に何があるのか??

それが体の使い方になるのです!

体の使い方って??となりますが

簡単に言うと

・ランニングフォーム

・ジャンプフォーム

などの動作の姿勢が重要になります。

これらの同じ動作をしたとしても

・大腿四頭筋に過剰に負荷がかかるやり方

・大腿四頭筋以外の筋肉も有効に使えているやり方

とで膝にかかる負担が大きく変わってきます。

そのため脛骨粗面を守るためにも

脛骨粗面への負担の少ない体の使い方をリハビリでは指導しています。

では実際にどのような体の使い方が

重要になるのかをみていきましょう。

2.オスグットでNGな体の使い方とは??

先ほど説明した通り

大腿四頭筋に過剰に負荷がかかる=オスグットの痛みにつながる

ことになります。

ではどのような使い方が大腿四頭筋に負担がかかるのか?

まず運動の基本であるスクワットで見ていきましょう。

まず膝に負担がかかる動きというのは

膝と重心がかかる位置が離れている場合です!

どちらもしゃがむ高さは同じくらいです。

左は重心の位置と膝の位置が近いです。

右は同じしゃがむ動作ですが重心の位置と膝の位置が遠いのがわかると思います。

重心の位置から離れるとそれだけ膝には負担がかかります!

リハビリで指導する際は

ものを持つ動作でよく例えて説明しています。

同じ重さの物を持つ場合でも

・肘を曲げて身体の近くで持つ

・肘を伸ばして体から離れた位置でもつ

の2つの場合どちらが楽でしょうか?

子供たちもなんとなくですが

体の近くの方が楽ということをわかってくれます。

これは膝の場合も同じです。

膝と重心が離れているしゃがみ方をしている人は

それだけ大腿四頭筋にも過剰にストレスが生じることになります!!

そのため同じスクワットの動作ひとつでも

膝への負担のかかり方が変わってくるのです!

ランニングなどの走る動作での踏み込みも一緒です。

踏み込みの際

股関節と膝が共に曲げることで膝への負担が減ります。

しかし股関節の曲げが少なく膝関節が過剰に曲がっている場合は

どうしても膝がつま先より前にいき、膝への負担が増えてしまいます。

これらのことから膝の痛みを改善するには

股関節の使い方

もかなり重要になることがわかると思います!!

3.膝への負担を軽減させるための股関節の使い方

先ほどの説明の通り重要なのは

股関節の使い方です。

膝を曲げすぎる使い方をしている場合

他の関節がうまく曲げれていないことが多いです!

そして股関節は

・前後への動き(屈曲・伸展)

・左右への動き(内転・外転)

・ひねり(内旋・外旋)

という3軸の動きを行うことができる

運動において大変重要な関節になります。

この股関節の動きが悪いとその分膝の動きが増してしまい痛いめてしまいます。

a.股関節を上手に使う方法①

では股関節を使う方法ですが

まず股関節は足の付け根部分にあります。

場所のイメージは膝の中心を足の付け根の方向に

触れていくと股関節が位置しています。

まず椅子に座った状態で股関節にに手を置きます。

そのまま前屈するのですが

左図は置いた手が股関節部で挟まれていくのがわかると思います。

しかし右図は置いた手がなかなか挟まれないのがわかるかと思います。

手が挟まれるということは股関節がうまく曲げれている状態になります。

では左右の図で何が違うのか??というと

骨盤の位置になります。

左図は骨盤がしっかり起きている状態ですが

右図の猫背になり骨盤は寝て(後傾)しまっています。

後傾した状態で前屈しても腰の骨(腰椎)が

曲がっていく動きが優先されてしまい

股関節で曲がる動きがなかなか生じません。

そのため股関節がうまく曲げれないのです。

なので先ほどの左図のようにしっかりと骨盤を起こした状態で

前屈していき股関節を曲げる動きというのをまずは学習していきましょう。

b.股関節を上手に使う方法②

座った状態で股関節をうまく曲げることが可能になれば

次は四つ這いで行っていきます。

四つ這いの状態からお尻を踵の方に移動させます。

この動きも上手に行えると踵にお尻が近づくにつれ

股関節が挟まれる感覚がわかると思います。

その際に骨盤が後傾(猫背)しないようにするのがポイントです!

図のように骨盤が後傾すると股関節がうまく曲がらず

腰椎(腰の骨)が曲がってしまうため注意しましょう!

c.股関節を上手に使う方法③

運動の基本であるスクワットで股関節に刺激を入れる方法です。

四つ這いでの股関節の使い方をイメージします。

骨盤が後傾しないように注意しましょう!

スクワットでのもうひとつ重要なポイントは

最初の説明した通り膝の位置です。

しゃがんだ際、膝だけを曲げすぎると

つま先より膝が前に出てしまいます。

そうなると、せっかく骨盤が真っ直ぐでも

重心の位置と膝の位置が離れてしまいます。

そのため骨盤を前傾させた状態で

お尻を床に近づけるようにしゃがんでいきます。

そうすると股関節でうまくしゃがむことが可能になり

膝がつま先より前に出過ぎることがなくなります。

4.応用トレーニング

これまで解説したものは基本的なトレーニングになります。

基本的な股関節の使い方ができるようになれば

徐々に運動の動きに近づけていきます。

a.バックランジ

立位の状態から片方の足を後ろに下げながら

お尻を床に近づけるように下げます。

この際も

・股関節、骨盤、背骨の意識

・膝が過剰に曲がっていないか

をチェックしながら行いましょう。

b.ランジウォーク

  1. 片足立になる
  2. 上げた方の足を前に踏み込む
  3. 踏み込んだ足で地面を押しながら反対側の足を引き上げる
  4. 1-3の動きを繰り返しながら前方に移動する

これはこれまでの動作を組み合わせたトレーニングになります。

・スタートの片足立の段階でまず骨盤が後傾していないか

・踏み込み時の股関節、膝、骨盤の位置

・蹴り出し→反対側の引き上げ動作時の身体のブレ、膝と股関節との協調した動き

がこのトレーニングで強化できます。

5.まとめ

今回はオスグット病での意識する身体の使い方について解説しました。

基本的なところですがとても重要なことです。

特に膝の痛みですが骨盤、股関節の使い方が重要なため

普段からの姿勢の意識が大切になります。

柔軟性の獲得→身体の使い方の修正がきちんとできれば

オスグットの痛みが激減します。

ぜひ意識してみてください!

ではまた次回!

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