前回オスグット病について解説しました。
今回はオスグット病のリハビリのなかで
実際に指導しているストレッチの方法について解説したいと思います。
1.オスグットに効果的なストレッチの方法とは?
前回の記事でオスグット病の原因で
大腿四頭筋について説明しました。
大腿四頭筋は名前の通り4つの筋肉で構成されます。
その中でも
・大腿直筋
・外側広筋
が硬くなっている方が多いです!
大腿四頭筋が硬くなると脛骨粗面に
負担がかかるため柔軟性は重要になります。
では
柔軟が必要=ストレッチすればよいのか
というとそうでもありません。
筋肉をストレッチすると言うことは
筋肉を伸ばすことになります。
と言うことは単純に大腿四頭筋のストレッチを行うと
大腿四頭筋が付着する脛骨粗面を引っ張ってしまいます。
そうなれば痛みが出たり、下手するとせっかく骨端核の部分が
くっつこうとしているのを邪魔してしまう可能性もあります。
そのため正しいストレッチの方法を知ることが重要になります!
今回は実際に患者さんに指導している
・ダイレクトストレッチ
・大腿四頭筋ストレッチ
の方法を解説します。
2.ダイレクトストレッチの方法
ダイレクトストレッチは
大腿四頭筋をダイレクトにストレッチします。
これは筋肉の滑走性を改善するために行います。
滑走性や癒着とは何のことかというと
筋肉は骨や他の筋肉と重なり合うように存在しています。
そしてこれらの筋肉が周辺の筋肉と
それぞれ別々の働きをしながら骨を動かしています。
しかし筋肉を過剰に使っていると筋肉に炎症が起こり
この筋肉同士の動きが悪くなってしまいます。
その場合、筋肉自体が伸びないと言うより
筋肉が周りの筋肉とくっついている(癒着)が原因となります。
この場合はストレッチよりまずは癒着してうまく動かない筋肉を
動かしていくことがが大切になってきます(滑走性)。
イメージとしては筋肉が上図のようにあるとした時に
↑のように筋肉を横方向に押し筋肉を動かしていきます。
では実際の方法を紹介します。
大腿四頭筋のうち大腿直筋は
図のように太ももの中央にあります。
太ももの中央あたりを指で押さえながら
左右に動かすとコリンコリンとした大腿直筋の感触が触れれると思います。
この部分を横から矢印のように押して
大腿直筋の癒着を剥がしていきます。
この時しっかりと大腿直筋に指を当て
当てた指がずれないように圧をかけたままで
横にずらすことで筋肉の動きを出すことができ
滑走性を改善することができます!
次は外側広筋の滑走性の改善方法です。
外側広筋は筋肉の向きが斜めを向いている部分があり
普通にストレッチしてもこの斜めに走行している部分には
なかなかストレッチがかからないです!
そのためこの部分もダイレクトに動きを出してあげる必要があります!
方法は太ももの横に手を当て
骨に向かって掴むように把持します。
外側広筋は赤線部分に位置しており、太ももの横というより
裏側まで位置しているかなり大きい筋肉です。
そのためしっかり把持した状態で大腿骨の上を動かす(滑走させる)イメージで
何回か動かすと外側広筋の滑走性が良くなります。
3.オスグットのための大腿四頭筋のストレッチ
先ほど解説した通り一般的な方法で
大腿四頭筋のストレッチを行なうと
大腿四頭筋の付着部である脛骨粗面にストレスをかけてしまいます。
そのため少し特殊な方法でストレッチ行います。
1.横向けに寝転がる
2.下の膝を胸につけるように抱え込む
3.上側の股関節を曲げた状態で膝がお尻につくように曲げる
4.膝をお尻につけた状態で後ろに足を引く
ポイント①は腰が反らないようにするために
ストレッチの開始前にしっかりと下側の足の股関節を曲げ抱え込んでおきます。
ポイント②は最初に股関節を曲げた状態で膝をお尻につけておくことです。
その状態から膝を後ろに弾くことで脛骨粗面にかかる負担を減らすことができます!!
4.まとめ
今回はオスグットのストレッチ方法に焦点を当てて
普段実際にリハビリで指導している方法を解説しました。
オスグットは
・安静にしといてね
・ストレッチしてね
と言われる場合がよくあります。
しかし
安静にしてもまた動くと痛い
ストレッチがまず痛くてできない
ことも多々あります。
それは脛骨粗面の骨化過程(骨の成長)やストレッチの方法が間違っている
など原因があります。
今がどの状態なのか??をきちんとわかっていれば
しっかりストレッチしたほうがいいのか
まだ今は安静にしながらダイレクトストレッチで負担を減らした方法を
したほうが良いのかが判断できます。
痛みでストレッチがうまくできなかった方がいれば
ぜひ今回紹介した方法を一度試してみてください!
ではまた次回!!
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