滑液包は人体のいろんな部分にありますが今回は膝の滑液包炎について解説します。
1.滑液包とは??
まず滑液包についてです。
滑液包とは袋状の構造物です。
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滑液包には
・関節の近くでコツが皮膚と摩擦するところに存在する皮下滑液包
・腱、靭帯と骨の摩擦が生じるところに存在する深在性滑液包
があります。
滑液包はこれらの摩擦で擦れやすい部分に存在し摩擦の負担をこの袋状のクッションで防いでいます。
この滑液包が
・外傷(ぶつけたなど)
・オーバーユース(使いすぎ)
などにより炎症が生じることがあります。
これが滑液包炎です!
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今回は膝の滑液包炎について解説します。
2.膝の前方の滑液包とは??
膝前面の滑液包には
・膝蓋前滑液包
・浅膝蓋下滑液包
・深膝蓋下滑液包
の3つの滑液包が存在します。
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膝蓋前滑液包と浅膝蓋下滑液包は皮膚の下に存在します。
そのためレスリングや柔道など繰り返しひざまずき動作がある場合は
この滑液包に刺激や外傷が起こりやすいです。
3.膝の内側の滑液包
膝の内側には
・鷲足包(がそくほう)
・半膜様筋包
・腓腹筋内側包
が存在します。
鷲足包は鷲足と呼ばれる筋肉の付着部に存在します。
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鷲足炎と呼ばれる怪我ではこの滑液包も炎症を起こして痛みを引き起こします。
半膜様筋包と腓腹筋内側包は下の図のように存在します。
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半膜様筋とはハムストリングスと呼ばれる膝を曲げる筋肉の1つです。
腓腹筋とはふくらはぎの筋肉で足首の底屈(アクセルを踏むような動き)に働く筋肉です。
これらの筋肉の下に存在し摩擦を防いでくれています。
膝裏の痛みがある場合これらの滑液包に炎症が生じていることが多いです。
4.膝の外側の滑液包
膝の外そくの滑液包には
・腓腹筋外側包
・腓骨膝窩滑液包
・腓骨滑液包
が存在します。
腓腹筋外側包は先ほどの腓腹筋内側包と同じく腓腹筋の外側の付着部に存在します。
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腓骨膝窩滑液包は外側側副靭帯と関節包の間に存在します。
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腓骨滑液包は外側側副靭帯と大腿二頭筋との間に存在します。
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膝の外側の慢性的な痛みの時はこの辺りの滑液包の炎症も考える必要があります。
また炎症が起こると癒着といって組織同士がくっつこうとします。
そうなると膝の動きが悪くなります。
5.滑液包炎の治療は??
滑液包炎はその名の通り滑液包の炎症になります。
そのため炎症に対する治療を考えていきます。
・滑液包炎の部位の安静
・痛み止めの薬、注射(ステロイド等)
・リハビリ
それでも痛みが治らない場合、鏡視下または切開下滑膜切除を行います。
6.滑液包炎のリハビリ方法は??
では滑液包炎と言われた場合のリハビリ方法をご紹介します。
滑液包炎で痛みが生じる場合の多くは癒着が影響しています。
癒着とは筋肉と筋肉など組織同士がくっつくことを言います。
滑液包炎自体は最初に説明した通り
・外傷
・オーバーユース
によって生じます。
これらのストレスにより炎症が生じると癒着が生じやすいです。
癒着が生じると本来の筋肉や人体の動きが制限されそのまま動かし続けることにより組織に負担が生じ痛みが発生します。
そのためリハビリではまず組織の癒着をとることが重要になります。
癒着をとる方法は組織同士をずらすように動かすことです!
例として鷲足包に対するアプローチです。
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まず鷲足包の部分に指を当てます。
そして骨に向かって圧をかけながら左右に指を動かします。
この動きを30回程度行うと皮膚を介して筋肉が動き
鷲足包との癒着が改善します。
そして内側の痛みが改善していれば鷲足包の癒着による痛みだったと考えることができます。
この癒着が残ったまま動かすと筋肉の動かない部分(癒着した部分)は残ったままで
動く範囲にだけ過剰にストレスがかかり痛みにつながります。
そのため癒着の改善はとても重要になります。
7.まとめ
今回は膝の滑液包についてまとめました。
膝だけでも滑液包はかなり存在します。
それだけ膝には摩擦が起こりやすい部分があるとも考えられます。
そのため一度滑液包炎が生じ癒着が起こると痛みが続いてしまいます。
そのためリハビリでは癒着の改善を進めていきます。
・きちんと滑液包の周辺の組織を触る
・癒着をとる
リハビリではこの辺りの技術で痛みが改善するかが変わってきます。
是非痛みが出ている方は癒着していないかを確認し動かしてみましょう。
ではまた次回!
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