今回は腰椎分離症について解説します!
1.腰椎分離症ってどんな怪我??
腰椎分離症は
腰椎の疲労骨折です!
専門用語で言うと腰椎椎弓の関節突起間部骨折になります。
骨折なので骨が折れています!
上図が腰椎の椎弓の関節突起部の図です。
ただ疲労骨折なので
・背中を強打した
・物がぶつかった
などのはっきりとした原因があるわけではないです。
腰椎にストレスが長期間かかることにより
腰椎に負担がかかり骨折して生じてしまいます!
2.どんな動きでなってしまうの?
ではどのようなストレスがかかると分離してしまうのでしょうか?
それは
・腰椎伸展(腰を反らす)
・腰椎回旋(腰をひねる)
の動きです!
下の左の図が腰椎伸展(反る)
右が腰椎回旋(ひねる)動作での応力分布です。
実際のコツ模型で表すと
反る動きの時に赤丸部分にストレスがかかります!
回旋(ひねり動作)では椎間関節部にストレスが生じます!
この動作が繰り返すスポーツで多発します。
例えばバレーボールのスパイク動作は
腰をそる+ひねる
動きが生じやすいです。
また野球の投球動作も同様に反る動きとひねりの動きが生じやすく怪我のリスクが高いです。
好発年齢は
10〜15歳です。
またスポーツ選手に多発します。
そのため成長期のスポーツしている子供が
腰が痛いと整形外科外来を受診した際に
よく診断される怪我です!
3.分離症の過程
分離症の病期には
・初期
・進行期
・終末期
に大きく分けられます。
これはCTによって判断されます。
初期→骨吸収がみられる
進行期→完全に骨折している
終末期→偽関節を生じている
まず普通の状態です。
この赤丸の部分をCTで確認します。
初期では
完全に骨折はしていない状態ですが
骨折しかけている時期です。
本来骨は破壊⇄再生を繰り返しながら
負荷に耐えれるようになっていきます。
しかし骨への負担が急激に増加すると
破壊(吸収)のスピードに対し再生する時間が追いつかず
骨吸収状態になって疲労骨折しやすくなってしまいます。
進行期では
はっきりした骨折がみられますが
分離した部分の骨硬化は認めない場合です。
骨硬化は骨同士がぶつかり固くなっている状態です。
レントゲンではより白く映ります。
終末期では
分離した周辺の骨硬化が認められ
偽関節状態になっています。
偽関節とは名前の通り偽の関節で
本来骨がくっつき1つの骨とならなければいけない部分が
骨がくっつかないままになってしまい
関節のように骨同士に隙間ができてしまう状態です。
3.まとめ
今回は分離症の怪我について解説しました。
分離症は成長期に起こる疲労骨折です!
疲労骨折の原因はいろいろ考えられますが、
1つ重要なことは
疲労で骨が折れるまで使いすぎている
と言うことです。
特に分離症の好発年齢である
10-15歳あたりはクラブ活動や部活動が始まり
人によっては休みなく毎日バットを振ったり走り込んだり
している方も多いと思います。
しかし同じ年齢の子供でも体の発達は人それぞれです。
同じ重さのバットを振っていても、
成長が早い子供は体ができており骨もしっかりして問題ないかもしれませんが
成長がゆっくりで声変わりもまだしていないような子供にとっては
その重さのバットでもかなりの負担になり同じ回数の素振りの課題でも
かなりのオーバーワークになってしまう可能性があります。
そのためまずはこの分離症がどんな怪我なのかを
多くの人に知ってもらうことが大切だと思います。
次回は分離症の痛みについて解説したいと思います。
ではまた次回!
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