腰椎分離症ってどんな痛み??

前回の続き(腰椎分離症ってどんな怪我??)で

今回は分離症の痛みについて解説します。

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1.どんな痛みが出る??

前回のおさらいになりますが

腰椎分離症は

・腰を反らす

・腰をひねる

動きで痛みが出ます。

また限局した棘突起に圧痛があった場合も分離症を疑います。

2.痛みの原因は何か??

腰椎分離症の治療を進める中で

痛みの原因が何か?を考えることが大切になってきます。

分離症は前回の解説の通り

・初期

・進行期

・末期

の3つの段階に分けて考えます。

そして腰椎分離症の痛みには大きく2つあります。

初期、進行期では疲労骨折による痛み

終末期では偽関節による滑膜炎、骨棘形成による神経圧迫

の2つの痛みがあります。

分離初期の痛み

初期では腰から大腿部にかけての広がるような痛みが多いです。

初期の痛みは軽度のことが多く、安静にしていると軽快するため

なかなか病院には行かないパターンが多いです。

また次回に解説しますが

初期分離で発見できれば治る確率がかなり高いですが

終末期までいくと骨が治ることはかなり難しくなります。

そのため初期でいかに適切な処置を行うかが

大変重要になってくる怪我です。

進行期の痛み

進行期は疲労骨折部の分離が生じており

疲労骨折部への刺激が痛みの原因となる。

この頃になると

・安静にしていても痛みが治らない

・運動中以外の日常生活動作(立ったり座っていたり)でも痛みがでる

など初期より痛みが悪化することが多いです。

終末期の痛み

大部分の終末期分離の痛みの原因は滑膜炎です。

これは分離部から椎間関節に広がります。

終末期では本来1つの骨だった部分が2つに分離してしまっています。

これを偽関節と前回解説しました。

そしてこの状態は骨としてはかなり不安定な状態です。

骨は体を支える部分です。

家で例えると土台の柱の部分になります。

1つのしっかりした柱であれば家を支えられますが

この柱が2つに割れていたらグラグラしてしまうイメージです。

分離症でも同じで骨の安定性がなくなり

グラグラしてしまうことによって

分離した周囲に炎症(滑膜炎)が生じてしまいます。

またこのグラグラとした状態が何年も続くと

骨の形も変形していきます。

この状態になるとこの隙間(椎間孔)から出る

神経が圧迫され歌詞に痛みや痺れが起こすことがあります。

2.痛みに対する治療は??

これは分離症の時期によって異なってきます。

初期、進行期の分離症の痛みは疲労骨折による痛みが主になってきます。

そしてこの時期は骨の癒合(骨がくっつく)の可能性が高いので

『痛みの原因である疲労骨折部を治す』治療法が基本となります。

そのためには、

・運動を一旦ストップする

・コルセットの装着

など骨折部を治すための治療を行います。

そして痛みの原因である疲労骨折部が治れば

スポーツしても痛みがなくなります。

終末期は痛みが一番強い時期というわけではなく痛くないことも多いです。

これは終末期になるまでに痛みがあり

痛みのため運動を休み安静にしていることや

運動量を減らしたりしている間に痛みが引いてくるためです。

終末期の痛みへの対応は

分離部は偽関節になっているので

骨の癒合が望めないため骨折の治療ではなく

炎症への治療が基本になります。

激しい運動や腰椎に過度な負担がかかると

痛みが生じることがあります。

その場合は炎症が治る目安である2週間程度運動休止を行います。

また痛みが強い場合は注射や薬で炎症を抑えたりします。

3.まとめ

今回は分離症の痛みについてまとめました。

分離症の痛みはスポーツができなくなったり

日常生活でも不便になることがあります。

分離症自体が成長期の子供に多発する怪我のため

子供からの訴えをしっかり聞くことが重要になります。

近年、スポーツのレベルが向上し

小学生低学年のうちから筋トレを

している子供も多くみられます。

本来小学生のうちはゴールデンエイジという

神経系や心肺機能の能力が格段に向上する時期です。

反対に筋力などの成長ホルモンと関係する運動は

小学校低学年では早すぎる場合もあります。

同じ小学生や中学生でも身体の発達はそれぞれです。

小学生で170cmの子供も珍しくない時代になっていますが

同じ年でも150cmの場合もあります。

この子供が同じ負荷のトレーニングをしていると

骨の強度的にも運動量的にも危険が伴います。

まずは痛みの訴えをしっかり確認して

違和感を感じれば病院でチェックを受けていただきたいです。

接骨院がダメなわけではないのですが

やはり医師によるレントゲンやMRIなどの検査に伴う診断を

きちんと受けていただき、治療した方が良いと私は思います。

治療方針が決まれば後は医師と相談しトレーナーや理学療法士、

接骨院の先生等で協力し治療していけばスポーツが痛みなく可能になる近道です。

今回は痛みに関してでした。

次回は治療の方針についてまとめたいと思います。

ではまた次回!

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