ヒアルロン酸注射って効果あるの??

今回はヒアルロン酸注射について考えてみたいと思います。

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1.ヒアルロン酸注射の効果とは??

まずヒアルロン酸の薬理効果については動物実験で

以下のように効果が認められています。

1.関節軟骨に対する作用

・軟骨表面を被覆(覆う)し保護

・軟骨の変性変化を抑制

・軟骨代謝を改善

2.関節液に対する作用

・病的な関節液のヒアルロン酸濃度および分子量を高め、粘稠度を改善

3.関節拘縮改善作用

・腱と腱鞘の間の物理的バリアとして働き、腱の癒着を防止

4.疼痛抑制作用

・ブラジキニン単独およびブラジキニンとPGE2併用による発痛作用を抑制

5.滑膜に対する作用

・滑膜細胞に作用し高分子ヒアルロン酸の合成を促通

・滑膜細胞に作用し滑膜の炎症および関節組織の変性変化を抑制

このように多岐にわたる効果が報告されています。

これらの動物実験の結果から、

ヒアルロン酸の関節内注射は膝の変形の信仰や軟骨摩耗を遅らせたり

炎症を鎮める効果が認められています。

痛みについても滑膜の炎症を抑制し、痛覚神経の過敏性を和らげます。

また潤滑作用により関節の動きを改善し関節軟骨の栄養環境をよくする効果があります。

しかし動物実験での報告であることは注意が必要かと思います。

実査の臨床で患者さんに使用した際に必ずこの効果がある!ということが

言われているわけではないことに注意が必要です。

2.勘違いされがちなこと

よく膝のヒアルロン酸注射で軟骨が治ると思っている人がいます。

しかしヒアルロン酸注射は摩耗した軟骨組織を再生させる力はないです!

先ほどの動物実験の結果の通り軟骨を保護したり軟骨の変性を抑制することは

できますが再生する働きではありません。

そのためヒアルロン酸注射で軟骨を治すという使い方は間違いです!

軟骨を再生させるためにはドリリングなどの治療が選択されます。

*過去の記事の中で説明してますので

膝離断性骨軟骨炎ってなに??④ 〜手術の方法① ドリリング(骨穿孔術)〜)を参考に。

3.実際はヒアルロン酸注射はどのように使っているの?

では実臨床でヒアルロン酸注射はどうやって使っているのか?

痛みの度合いによって様々なことは間違いありませんが

一般的な例ごとにご紹介します。

1.関節炎が強く水腫(水が溜まっている)を伴って症状が強い

本来の用法用量に準じてヒアルロン酸注射を週1回、4〜5回継続します。

これにより大体の膝の症状は治まるとされています。

2.水腫は少しだけで動かすと熱が生じ痛みが治まらない

2週に一度ずつ程度のヒアルロン酸注射を繰り返します。

症状が1ヶ月程度続くまでは活動量の調整など行う。

この時に湿布や薬の併用も行いコントロールしていく。

3.関節の変形は少ないが痛みが続いている場合

この場合は月1回程度のヒアルロン酸注射で効果を見ていきます。

効果がない場合は続けていく必要性を検討しますが

月一回でも効果を自覚される患者さんもいることは事実です。

4.スポーツをする方への使い方

・変形性の関節症だがスポーツを楽しむ方

・スポーツ選手

の場合でご自身がスポーツを続けたいという意思がある場合は

予防的にヒアルロン酸注射を行っていきます。

試合前やスポーツ活動前に予防的かつ継続的に

ヒアルロン酸注射を行うこともあります。

これも先ほどの通り湿布や薬と併用し

患者さんの痛みや腫れをコントロールしていくことが重要になります。

5.まとめ

今回はヒアルロン酸注射について解説しました。

リハビリの際によく質問され流ので

みなさん疑問に思われることかと思います。

注射自体がやはり痛みを伴いやすい治療のため

その効果が木になるかと思います。

ヒアルロン酸は軟骨の再生ではなく痛みを抑えたり軟骨を保護する働きで使用されます!

ここがよく勘違いされやすいところかなと思います。

しかし実際治療されて効果が出ている患者さんがたくさんいます。

痛みが強くリハビリがうまく進まない患者さんでも

この注射を併用することで痛みが抑えられリハビリがスムーズに進み

結果的に早期に良くなることも多々ありました。

なのできちんと理解していくことがやはり重要かと思います!

ではまた次回!

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