今回はばね指について解説したいと思います。
1.ばね指とは??
まずばね指は弾発指とも呼ばれます。
指の腱鞘(けんしょう)の肥厚や硬化、あるいは屈筋腱自体の肥厚が原因となって、
腱の滑走障害を生じている狭窄性腱鞘炎のことを言います!
指先まで伸びる白い筋のようなものが屈筋腱です。
図のように前腕部分の筋肉が指先に向かって伸びているのが
途中から白い腱(屈筋腱)に変わるのがわかると思います。
この筋肉が縮むと屈筋腱を引っ張り指を握ることができます!
次に腱鞘の部分です。
先ほどの屈筋腱は骨の上に乗っているだけなので
そのままだとズレてしまいます。
そのためこの腱鞘が屈筋腱を上から覆い、腱がずれるのを防いでくれています。
ばね指では
・腱鞘の肥厚(分厚くなる)や硬化(柔軟性がなくなる)
・屈筋腱自体が肥厚
が原因となります。
この腱鞘部分が肥厚することで腱が引っかかってしまいます。
また上図の赤丸のように屈筋腱自体が肥厚してしまうことで
腱鞘と引っかかりが生まれてしまいます。
発症には繰り返す曲げ伸ばしなどの機械的刺激や内分泌代謝障害が関与していると
考えられているが明確な原因はまだ不明とされています。
2.どんな場合になりやすい?
日常手指をよく使用する家庭の主婦やタイピングなどの
手作業の仕事を行っている女性に多く発症します。
男女比は1:6〜7で男性に発症することは比較的稀である。
40~60歳代にピークがあります。
・関節リウマチ
・糖尿病
・透析患者
に合併することが知られています。
3.どんな症状?
母指に最も多く環指(薬指)、中指にもしばしば起こります。
示指(人差し指)や小指に発症することは比較的少ないです。
症状は
・指の曲げ伸ばし時の引っかかり感
・腱鞘部分を押すと痛みがある
が多いです。
手指の引っかかり感は曲げ伸ばしのどちらの場合もあります。
症状が進行すると、曲げた指を伸ばすまたはその反対に伸ばした指を曲げることが
不可能な強直型となることもあります。
通常そのうちのA1プーリーと呼ばれる腱鞘で狭窄が生じばね指となります!!。
A1プーリーは図の腱鞘部分になります。
このプーリーと呼ばれる部分は下の図のようにも他にもあります。
A2〜4プーリーまでとC1〜3プーリーまであります。
多くはA1プーリーの肥厚で生じますが、A2プーリー内で引っかかることもあります。
4.まとめ
今回はばね指について解説しました。
ばね指は手指の痛みで整形外来に来られる患者様の中で多く見られます。
今回は病態と原因について解説しました。
次回は診断や治療方法について解説したいと思います!
ではまた次回!
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