今回は小児のばね指に関して解説したいと思います。
1.子供でもばね指ってあるの??
以前のブログ(ばね指ってなに??)でばね指は
・中高年以降の女性
・親指、薬指、中指に多い
と解説しました。
ばね指には大きく分けて
・成人ばね指
・小児ばね指
の2つに大別できます。
一般的にばね指と聞くと上記の成人ばね指について考える人が多いと思います。
しかし小児にもばね指が存在します!
小児のばね指は成人ばね指とは異なる疾患になります。
それでは特徴について解説していきます。
2.小児のばね指の特徴とは?
小児のばね指は
・どの指にも生じるが、ほとんどが親指(親指以外は10%未満)
・男女比は2:3でやや女児に多い
・22〜33%は両側に発症する
・約半数は生まれた時から存在している
という特徴があります。
また成人ばね指はA1プーリー部の肥厚が原因でしたが
小児ばね指は屈筋腱自体が肥厚することが原因になっています!
来院理由としては、
親御さんが親指の関節が曲がっていることに気づいて来院されることが多いです。
症状は
軽度の場合では指を曲げた後自分で伸ばせないが、手を添えると伸ばすことができます。
症状が強い場合手を添えても伸ばせず強直しています。
臨床でよく観察されるのは
・母指のIP関節が20〜30°ほど曲がっている
・MP関節は関節可動域制限がない
です。
3.小児ばね指の治療法
従来手術療法が多くの場合選択されてきたが
近年では保存的な治療が見直されてきています。
装具を作成しIP関節を伸ばした状態に保持するなどが行われます。
この保存療法でも痛みが取れないや指が伸びない場合は
手術療法が検討されます。
ただ手術りょうほうはいつごろ行うのが良いのかに関してはいろんな報告があります。
私が知っているのでも3〜4歳を超えると自然治癒が難しいという報告がある一方で
3歳以下の手術は再発やのびにくさの残存が多いとの報告もありました。
そのため最新の知識のある手の専門医(手の外科)の受診が良い治療につながると思います。
4.まとめ
今回は小児ばね指について解説しました。
成人ばね指とは別の疾患であることがわかったかと思います。
子供の指が伸びにくい?と感じた際はぜひ専門医へ受診してください。
ではまた次回!
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