膝に水が溜まった!どうすれば良いのか??

今回は膝に水が溜まった時の対処法について解説したいと思います。

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1.”膝の水”の正体とは?

よく膝に水が溜まった!

と言いますがこれはどういう状態なのでしょうか?

まずこの水のことを医療用語で水腫と言います。

関節にはもともと関節液(滑液)が存在します。

これは骨と骨がつながっている関節部分の

動きを潤滑にする

軟骨や半月板などに栄養を送る

働きがあり大変重要な液体です。

どのように存在しているかというと

まず骨と骨を関節包という線維で覆っています。

この関節包は

滑膜

線維膜

に区別できます。

膝の正面から見た図です。

下図が横から見た図になります。

関節包は白色の膜の部分で滑膜は赤色で覆われた膜で表しています。

そして滑膜で覆われた中の部分に滑液が存在します

この図が滑液の存在する部分の図になります。

膝の前面部分だけでなく膝裏にも存在するのがわかります!

この滑液は正常では1ml程度膝の関節には存在しています。

正常滑液は白色または黄白色でほぼ透明な非常に粘稠な液です。

放置してもフィブリノゲンがないので凝固しないです。

しかしなんらかの原因で滑液が過剰に産生されると関節水腫の状態になります。

膝だと30〜40 ml、ときには100mlを超える量が膝に溜まることがあります。

この状態をよく膝に水が溜まったと言います。

2.水が溜まった時はどうすればいいの??

では水が溜まった時はどのように対処すれば良いのか?

これは

  • 水を抜く
  • 圧迫
  • 冷やす(アイシング)
  • 原因を改善する

を行います。

1.水を抜く

関節に異常に水が溜まっていると

・膝の曲げ伸ばしがしにくい

・膝がずれる感じがする

などの訴えがあります。

これは関節の袋に過剰に滑液があるため関節を動かす際に

関節内の圧が高まり曲げ伸ばしがしにくくなります。

また関節に水が溜まっていると関節原生筋抑制という反応が起こります。

これは関節水腫が溜まると膝の筋肉を動かす神経に抑制(命令をストップ)をかける働きがあります。

そのため膝の筋肉に力が入りづらくなり、

膝がずれるカクッとなるなどが生じてしまいます。

そのため一度膝に溜まった余分な滑液を抜いて上げる必要があります。

2.圧迫

先ほどの図であった通り滑膜は膝周囲を覆うように分布しています。

そのため膝周囲をしっかりと圧迫することにより余分な滑液が溜まるスペースを

無くし水を溜まるのを予防することができます!

先ほど正常な滑液にはフィブリノゲンがないため凝固しないと説明しました。

フィブリノゲンとはざっくりいうと止血のため凝固(固まる)作用があります。

しかし関節に水が溜まる際に関節内で出血し赤血球の混入が起こると

フィブリノゲンも含むことになり関節を固めてしまいます!

そのため水がたまらないように予防的にしていくことが大切です!

特に水を抜いた後に圧迫も行うと効果的です!

膝のお皿を囲むように弾性包帯で圧迫するように巻くと効果が高いです!

3.冷やす(アイシング)

アイシングは血管を収縮(縮める)させます。

そのため過剰に水を出そうとしている状態を抑制することができます!

アイシングは

20分→10分の中断→20分程度で行うのが良いです。

注意は感覚障害がある方は凍傷の危険があるためあまり冷やしすぎないようにしましょう。

4.原因を改善する

当たり前のことですが一番重要でもあることです。

なぜ水が溜まってしまったのかを理解することが解決への近道になります。

・歩きすぎた

・掃除や庭作業でしゃがみ動作を多くした

など過剰に関節にストレスをかける動作を行ってなかったかを確認します。

もし上記のような原因で水が溜まった場合は修正を行っていきます。

歩きすぎ→体重を膝にかけると痛い→杖や松葉杖の使用

しゃがみや階段昇降→しゃがみや階段は体重の数倍の負担が膝にかかるため控えるよう指導

この辺りが難しいところでもあると思います。

杖や松葉杖を使用するのはかなり抵抗がある人もいます。

その人の考え方やライフスタイルもあるため強制はしないようにはしていますが

痛みの原因や何回も水が溜まることが繰り返している場合

やはり根本的な原因を考え修正していくことが重要になるため

患者さんにも理解してもらうようにしていく必要はあります。

もしこれらの処置を行っても慢性的に水が溜まるようであれば

他の原因(リウマチ、痛風、化膿性関節炎など)を考えていくことも大事になってきます。

3.まとめ

今回は水が溜まった時の対処法を説明しました。

よく水が溜まるとクセになると言います。

これは水を抜いても、溜まった原因を解決できていない場合がほとんどです。

そのため水が溜まる原因をしっかり理解することが

早期の解決につながります。

ではまた次回!

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