膝離断性骨軟骨炎ってなに??③ 〜治療はどうしていくの?保存療法の場合〜

今回は

膝離断整骨軟骨炎の治療方針について解説します。

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1.治療方法は何で決まるの??

離断性骨軟骨炎で

・保存療法

・手術療法

の2つの治療方法を選択するのですが

  • 骨端線の状態
  • 痛めた軟骨部分の不安定性
  • 痛めた部分の大きさ

などの情報をもとに治療方針を決めていきます。

膝OCDでは治療方針の違いから

・骨端線閉鎖前の若年型(juvenile OCD)

・骨端線閉鎖不全・閉鎖後の成人型(adult OCD)

に分けられます。

juvenile OCDではレントゲンやMRIで不安定性の所見がない場合

原則保存療法から治療を開始していきます。

adult OCDでは自然治癒力が乏しく、保存療法の成績が不良とされています。

また発見時のMRIで不安定性が認められる場合は手術療法が選択されます。

2.保存療法(手術しない)の場合、どんなリハビリになるの?

1.保存療法って何をするのか??

保存療法の場合具体的に何をするかというと

運動休止が原則です!

これは前回の記事でも紹介した通り

繰り返す膝へのストレスが原因因子として考えられ、運動を継続してしまうと

必ず膝の軟骨にも負担がかかります。

すると軟骨自体が治ろうとしているのに運動による負担でどんどん軟骨が傷んでしまい

結局OCDが進行してしまいます。

どの程度運動休止にするかは定期的な画像診断で

痛めた軟膏部分の状態を確認し判断します!

そのため軟骨の損傷具合によって運動休止期間は変わってきます。

一般的に3〜6ヶ月の運動制限を指導します。

運動休止だからといってその間何もしないわけではなく

筋力訓練等のリハビリをその期間に行っていきます。

スクワットは体重が膝にかなりかかりますが

レッグエクステンションなどの運動はスクワットに比べ膝への荷重の負荷は少ないです。

ただレッグエクステンションであっても

・まず行って良い軟骨状態なのか?

・負荷をどの程度かけていくのか??

などはケースバイケースです。

ある意味ここが理学療法士としての腕の見せ所でもあるかもしれません。

そのため僕たち理学療法士とドクターで話し合って

患者さんの状態に合わせたトレーニングメニューを作成しています。

2.保存療法の治療成績

保存療法の治療成績は61.4%と報告されています。

Andriolo L,et al:0steochondritis Dissecans of the Knee-Conservative Treatment Strate- gies:A Systematic Review. Cartilage.10:267- 277,2019.

また予後不良に関係するものとして以下のものがあります。

・男児

・関節に水が溜まっている(関節水腫)

・2cm以上の病巣

・レントゲンで母床に骨硬化を伴う

・classical site以外の部位

・円板状半月を伴う

・症状の出現から受診までの期間

3.保存療法の注意点

先ほど解説した通り保存療法の治療成績は60%程度です。

運動制限や免荷などを3〜6か月行うことは

子供やその親にとっては精神的苦痛も大きいと思います。

上記の予後不良因子があり、保存療法をしていても変化のない場合は

早期に手術療法へ切り替えることも重要とされています。

この辺りが難しいところになるかと思います。

リハビリを担当していても、リハビリをしていたからといって必ず全員が良くなる

というわけではもちろんありません。

保存療法なのでご自身の治癒力で軟骨を修復できれば良いのですが

やはり損傷具合などにより手術が必要になる人もいます。

そのため重要なのはきちんと今後の治療方針を説明し進めていくことです。

先の見通しがあらかじめわかっていれば不安も減るかと思います。

そうなるともし保存療法で変化がない場合も早期に手術が行え

最終的な復帰までスムーズに進めることが可能です。

3.まとめ

今回は膝離断性骨軟骨炎の保存療法の進め方を説明しました。

保存療法でも6割程度の方は治療成績が良いとされています。

ただ軟骨を保護する必要から運動休止期間も必要になります。

予後不良因子がある場合や保存療法の反応を見ながら適宜治療方針を

確認していくのが大切になります。

次回は手術療法の場合についてどのような治療がされるのか解説したいと思います。

ではまた次回!!

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