今回は頸椎症についての第1回です。
以前の記事(手が痺れる・・・。原因を特定するためには??)で
頸椎症について少し説明しました。
そこからもう少し専門的に
頚椎症について説明していきたいと思います。
頸椎症ってどんな人がなる?
まず頸椎症はその名の通り
頸椎(首の骨)の疾患です。
この頸椎が変形などの変化によって
痛みや痺れなどの症状がでます。
頸椎症は中高年できわめて多い疾患です!
とくに50歳以上の人では高頻度です。
頸椎症の診断が重要な理由
・神経症状から頚椎の痛めている場所を推測し画像と対比する必要がある!
無症状者のMRI画像を検討した報告によると、年齢とともに頸椎症性変化の頻度が上昇し、60歳以上では頸椎症性変化を85%以上に認め、脊髄圧迫を7.6%にみとめている。
Matsumoto M,Fujimura Y,Suzuki N,et al.MRI of cervical intervertebral discs in a symptomatic subjects.J Bone Joint Surg(B) 1998;80:19-24
少し難しいですが簡単に言うと
MRI画像で脊髄圧迫を伴う頸椎症を認めても、それがすぐに神経症状の大元であるとは決められない!
ということです。
なぜなら無症状の人でも60歳以上で頸椎症のような変形が見られて脊髄も圧迫されてる人がいるとわかっているからですね。
腰のヘルニアでも同じでMRIでヘルニアが認めても症状がない人も多くいるので、
画像で頸椎症≠確定と言うことが重要です!
まずは詳細な神経学的診察をし行い、
神経症状から類推する障害髄節(痛めている背骨の場所)が
画像初見とおおむね一致している可動か
どうかを判断する必要があります。
頸椎症は様々な神経疾患と鑑別が必要である!
頸椎症さ多くの神経疾患との鑑別が重要となります。
・脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)
・筋萎縮性側索硬化症(ALS)
・末梢神経疾患
・錐体外路疾患
・脊髄炎
などを中高年で発症した場合、
画像上の頸椎症性変化を認めることが多い。
そうした場合に
神経症状がその疾患から起こっているのか、
あるいは頸椎症から起こっているのか、
また両者の症状が並存しているのか
の判断が必要になります。
頸椎症で手術が必要な場合は少ない!
頸椎症患者は日常生活の指導により手術しなくても良好な経過を取る場合が少なくない。
安藤哲朗.頸椎症性脊髄症の自然経過からみた手術適応.脊椎脊髄 1999;12:676-680.
頸椎症で緊急手術を要することはほとんどなく、
手術を必要とする場合も全体から見ると少ない。
したがって頸椎症は必ずしも外科的疾患とは言えない。
まとめ
今回は頸椎症について①として
頸椎症の診断の重要性についてまとめました。
今回の中で1番伝えたかったことは
画像≠症状ということです!
これは他の疾患にもいえます。
特に変形性の関節症(膝や股関節)では
画像上変形がひどくても意外と痛くない
人もたくさんいます
逆に画像ではあまり変形が認められなくても
痛みが強く出る人もいます。
なのでその人それぞれの症状に対して
適切な診断が必要になります。
次回は頸椎症の症状をもう少し細かく
説明していこうと思います!
ではまた次回!
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