靭帯の治癒期間はどのくらい??

今回は靭帯の自然治癒に関して解説します。

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1.靭帯は何日で治るのか??

ズバリ6週間が基準になります!!

ではその過程を説明します。

足首の靭帯損傷(いわゆる捻挫)を例に考えていきましょう。

足首の靭帯損傷である捻挫は、矢印の方向に足を捻った場合に生じることが多いです。

足首の靭帯はたくさんありますが、赤丸の部分の前距腓靭帯(ぜんきょひ靭帯)が一番損傷しやすいです。

ではこの靭帯を損傷した場合はどのくらいで治るのでしょうか?

2.靭帯損傷1〜3日目

まず靭帯を痛めた1〜3日は炎症期になります!

受賞直後から72時間がこの期間にあたります。

主に

・血管反応

・浸出

・壊死

が起こります。

怪我をすると怪我した部分の組織は傷つき壊死します。

そして交感神経の作用により血管が拡張します。

血管が拡張することで血漿という血液の成分が血管の外に出ていきます。

そのため怪我した後は赤く腫れて痛みが出ます。

この反応が72時間の間は活発に生じます。

この働きのおかげで痛めた部分をこれ以上痛めないように痛みを出したり、

痛めた部分をくっつけるための液体を体が出してくれています。

3.4日目〜6週目

この期間は増殖期と呼ばれます!

ざっくりいうとこの時期に組織の大まかな修復が行われます!

6週あたりで痛めた靭帯の一時修復が行われるため6週をひとつの目安として考えます。

そのため6週という期間がとても重要になります。

ではどのようなことが体内で行われるのかをみていきましょう。

受傷後3日を過ぎると線維芽細胞(せんいが細胞)という靭帯を治すための細胞が増殖してきます。

そして毛細血管も増殖してきます。

これらの増殖により損傷部位に膠原線維が満たされていきます。

この膠原線維とは靱帯などの結合組織の強度を与えるために重要になる線維です!

よく聞くコラーゲンというタンパク質が配列されできています。

この線維が受傷後1〜3週あたりで損傷した部分を満たしていくのです。

3〜6週で線維芽細胞の増殖が減少し、膠原線維であるコラーゲンが安定してきます。

靭帯の傷がコラーゲンでくっつけられたというイメージです。

そして6週間で靭帯の修復は大まかに完了するのです!

4.6週以降〜数ヶ月

先ほどの膠原線維の密度や配列の再構築がなされます。

最初の図ですが靭帯は白いスジ状の組織になります。

この靭帯を細かく見ていくと小さい組織の配列で構成されているのが分かります。

靭帯は図のようにコラーゲン繊維が配列され構成されています。

靭帯を損傷するとその部分の組織は一度破壊されます。

そして修復されていくのですが、痛めた部分の組織は網目状に修復されます。

そして靭帯部分に伸びる働きがかかると徐々に元の向きにコラーゲンが配列されていき

靭帯自体の強度(靭帯の強さ)も徐々に戻っていきます。

このような働きが受傷6週以降から数ヶ月の間で行われているのです。

4.靭帯が伸びる??靭帯治療のNGは??

よくお医者さんが

靭帯が伸びる!

というふうな説明をされた。という話を聞きます。

靭帯の構造から考えて靭帯は筋肉のように伸び縮みする組織ではありません!

ではなぜそのような説明がないされるかというと、

先ほどの靭帯の修復過程の設営の通り

6週までの靭帯はまだ一時的な修復もされていないような状態です。

皮膚で考えるとまだ完全に傷口がひっついていないような状態です。

この状態の靭帯に対し、靭帯が伸びるような方向に無理に動かすと

靭帯が元々の状態より伸長された状態になります。

その状態で靭帯が修復されていくと靭帯の長さがもとより伸びた状態になるのです!

なので靭帯が伸び縮みするということではなく、靭帯が伸びた状態で治ってしまう

というふうな説明をわかりやすく靭帯が伸びると言い変えているのです。

逆に6週を超えると靭帯の一時修復が終わるため、無理のない範囲で靭帯をストレッチしていき

靭帯の構成要素であるコラーゲンの配列を整えていく必要があります。

そのため

・6週までは人体に負荷がかかるような無理なストレッチは控える

・6週以降は適度な張力でコラーゲン線維のの配列を整えていく

ことが重要になります!!

5.まとめ

今回は靭帯の修復に必要な期間について解説しました。

靭帯の修復は6週がひとつの区切りになることがわかったかと思います。

そのため捻挫をした場合も今回の知識があれば靭帯がきちんと修復させることができます。

逆に痛みがなくなったからと2週目あたりから再開し、また痛めた場合靭帯自体の強度はガクッと落ちてしまう危険もあります。

幼少期に靭帯を痛めたまま放置してしまうと関節がグラグラになり

40〜50代あたりから関節軟骨の損傷が起こって水が溜まるなどの二次的な怪我もよく見られます。

そのため初期の治療をしっかり行うこと!が現在の医学の基本になっています。

今回は捻挫で靭帯を痛めた場合で解説しました。

これが同じ靭帯でも

前十字靭帯再建術

の場合はまた話が変わってきます。

なぜかというとこれは再建と言って自分の痛めた靭帯の代わりに他の組織から靭帯の代わりを持ってきていることになります。

そのため今回の靭帯の修復とはまた違った修復過程を考える必要があります。

ただ単純に前十字靭帯を損傷した場合だと靭帯は同様の過程で修復していくことになるので

考え方としては同じになります。

今回は靭帯修復についてまとめました。

また次回!

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