今回は『オスグッド病』についてまとめていきたいと思います!
オスグッド病ってどんな怪我??
オスグット病はosgood-Schlatter病の略称のです。
オスグット病は膝のお皿の下あたりが痛くなります。
最初は
・深くしゃがむと痛い
・押さえると痛い
などの痛みの訴えが多いです。
痛みがひどくなると、走る,ジャンプができないなど運動が困難になることもあります。
痛みの部分をもう少し細かくいうと
膝のお皿の下部分の脛骨粗面になります!
脛骨粗面は膝のお皿の下の方にある骨の突出した部分を言います。
この部分には下の図のように大腿四頭筋という膝を伸ばす
大きな筋肉が膝蓋腱を介して付着します!
・なぜ痛くなるの??
痛みの原因は
脛骨粗面の骨化過程(骨の成長過程)が関係してきます!
骨というのは子供から大人になる過程で伸びていきます。
身長が伸びることをイメージすればわかりやすいです。
そして骨の成長には骨端核(骨化中心)が関係します。
成長する過程で骨端核という部分が骨の端に出現し
その部分が徐々に成長し骨が伸びていきます。
そして骨の幹(骨幹部)と完全にくっつくと骨の成長が終了します。
この骨幹部と骨端核とがくっつく前は隙間のような部分があります。
これを成長線(骨端線)と言います。
子供のレントゲンではこの成長線がはっきりと写ります。
膝の骨も同様に成長に伴い骨が伸びていきます。
上の図の隙間が骨の成長線のイメージです。
下図のように年齢とともにこの部分が広がり骨が伸びていきます。
そして最終的にここが完全にくっつき大人の骨になります。
少し専門的な経過としては、
- 脛骨近位端前面(舌状部と言う)は10歳以前では軟骨である(cartilagenous stage)
- 10〜11歳で脛骨近位骨端核は近位から遠位に骨化(成長)するとともに舌状部に二次性骨化核(粗面核)が形成される。(apohphyseal stage)
- 13〜15歳でこれが成長してこれが脛骨近位骨端核と癒合して舌状突起形成する(epiphyseal stage)
- その後成長軟骨板が骨化して骨化が終了する(bony stage)
という流れになります。
このapohysealvstageで力学的負荷が脆弱部である粗面核に繰り返し加わると、
apophyseal fractureと呼ばれる骨折状態になり
骨癒合不全となった場合には小骨を形成します。
子供の骨は成長途中のため未成熟です。
そしてオスグットの痛みの出る脛骨粗面にも骨端核がありかなり弱い部分です。
ここに先ほど説明した大腿四頭筋という強力な筋肉が膝蓋腱を介して付着します。
そのため大腿四頭筋を酷使するような運動を行うと痛みが生じます。
さらに骨端核にストレスが加わり小さな骨を形成しそこが骨癒合すると
脛骨粗面部の骨の突出が形成されます。
よくオスグットの子供の脛骨粗面を触るとボコッと出っぱっていることがありますが
これは脛骨粗面に過剰に負担がかかっているため起こります。
・どういう人が痛くなりやすい??
成長期の怪我のため痛くなりやすい年齢があります。
好発年齢は以下の通りです。
男子で10~15歳
女子で8~13歳
女性の方が発育が早いため痛みが出る時期も男性より早い傾向にあります。
また走る、ジャンプ、切り返し動作の多い
・サッカー
・野球
・バスケ
・バレー
などに多く発症します。
また大腿四頭筋の柔軟性も大きく影響してきます。
先ほどオスグットの痛みの部位である脛骨粗面には
大腿四頭筋が膝蓋腱を介して付着すると説明しました。
その大腿四頭筋の柔軟性がない(大腿四頭筋が硬い)と
脛骨粗面が過剰に引っ張られてしまいます。
では柔軟性がなぜ落ちるか??ですが
先ほどの図の通り骨は徐々に成長(伸びる)していきます。
それに伴い筋肉の柔軟性も必要になります。
図のように骨が伸びた分、筋肉も伸びる(柔軟性)必要があります!
徐々に骨が伸びてくれると筋肉の柔軟性も追いつくのですが
成長期のように1年間に10cm近く急激に骨が成長すると
筋肉の柔軟性が追いつかず柔軟性が低下してしまいます。
動作は
・ジャンプ
・ダッシュ
などの動きの繰り返しが大腿四頭筋を多く使い
脛骨粗面に負担がかかります。
成長期の段階で急激に運動量が増えた場合は注意が必要です。
成長前の身体で
・スクワットなどの筋トレを過剰に行う
・高学年(大人の体つき)と同じ負荷のトレーニングを行う
・中学に入り、休みなく部活やクラブチームで運動している
場合などは痛みがある場合は注意してください。
身体の回復のスピードが追いつかないほど
身体に負担がかかっている場合が多いです。
先ほど説明した通り
成長期の子供はまだ骨自体の強度が弱い状態です。
そこで回復のスピードを上回るほどの負担がかかると
やはり痛みが出てしまいます。
まとめ
今回はオスグット病の痛みの原因に
ついてまとめてました。
原因がわかればそれに対する解決法を考えることができます。
逆になぜ痛いのかがわかっていないと
ただ休んだり湿布を貼ったりして痛みがなくなったとしても
また痛くなってしまうことが多いです。
なので原因を理解して治療していくことが重要になってきます!
次回はオスグット病のリハビリについて解説したいと思います。
ではまた次回!
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